スーパービジネスパーソンエグゼクティブ、クプタ

スーパービジネスパーソン、クプタ(わたし)のプライベートを明かします。スーパービジネスパーソンへと登りつめたクプタ。プライベートの思考法とその内容をご参考までにご教授します。

パリで蹂躙された

街を行き交う人を観ていると、本当に外国人が増えた。そんななか、桜を眺めているフランス人家族がいた。フランス語を話しながら、iPadでパチパチ子供の写真を撮っている。そんなフランス語を聞いているとあることを思い出した。

学生時代、21くらいだろうか。2月に極寒のヨーロッパを周遊したことがある。そのラストを飾る都市がパリだった。わたしは一人旅ということもあり、ヴェルサイユからエッフェル塔まで一通りメジャー観光ポイントはサクサク回ってしまった。そこで時間が余ったので、現代建築の立ち並ぶ新市街地に行ってみることにした。

そこは近代的なビルが立ち並び、喧騒から外れた静かで開放的な空間であった。わたしはその無機質さと静けさを多いに気に入り、立ち止まっては、近代建築を勉強している学生を気取り、写真を撮ったり、一点をずっと眺めたりするのだった。ときには「ああ、オレかっこいい」とつぶやいたりもした。

そして、元来より絵が得意だったこともあり(この絵を見ればお分かりだろうが、キラッ!)、その現代建築ビル群をスケッチすることにした。ベンチに腰をかけると早速取り掛かる。元来より、格好にしか興味がなく中身のないわたしは、その「パリでスケッチするわたし」に多いに自尊心が満たされ、その筆のスピードも勢いを増すのであった。

すると高校生ぐらいの6、7人のフランスヤング共が隣のベンチに陣取り、若者っぽく下品なはしゃぎ方をしていた。わたしはさして気にしていなかったのだが、そのうち彼らはわたしが何をやっているのか、近づいてきた。リーダーと思われる褐色の長身男性が「何を描いているの?」とニヤニヤ話しかけてきたので、わたしは「あのビル群を描いている」と媚びるような笑顔で答えた。すると「ちょっとペンを貸してくれ」というので「おっ、手伝ってくれるのか。書き足してくれるのか。」と快く思いペンを渡した。

すると彼は少し間を置いた後、突然わたしの書いたスケッチの上に「ガチャガチャガチャ」とペンを走らせ、滅茶苦茶に蹂躙したのであった。わたしは思わず「おいっ!」という言葉を発したが、彼らはすぐにいたずらっ子のように逃げていた。しかも「おいっ!」というわたしの言葉をマネながらみんなで大笑いしていたのであった。
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わたしは呆然と立ち尽くした。そしてペンでグチャグチャになった画をみた。こ、これが蹂躙ってやつか。。とも思った。ところがまったく不快感がないのだ。いや、むしろバカにされ傷付けられたことに、ほのかな歓びすら覚えた。ああ、パリに来てまで嫌がらせを受けるのかと思うと、身体が痺れるほどの心地よさを感じたのだ。なんだか安心したのだ。世界は変わらないと。

桜を見るフランス人家族を観て、我が変態性の発芽を思い出した。ものごとは捉え方次第でなにごとも楽しくなる。それが桜であれ、イジワルであれ。