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クプタの一段階屈折

クプタ(わたし)のリアルな日常です。普段は真面目でクールなサラリーマンをきどっています。が、齢35を過ぎたあたりから、自分が35年間何かをずっと演じてきたことに気づく。だから自分だけの日常の喜びを書き記します。

シャノアールがあった、最初のバイト先

三軒茶屋の駅を降りるとシャノアールがあった。白地に赤と青のライン、懐かしい。シャノアールとはベローチェの前身。店員が注文を取りにくる昔ながらのカフェである。ビッグパフェが有名。サンドイッチ等、軽食がメイン。

実は生まれてから初めてバイト先がここだった。ローカルな駅の前にある店舗。何が大変だったかというと、注文を暗記しないといけないこと。5名様で複数各人注文されるとパニックである。パフェ、ミックスサンド、ハムサンド、コーヒー、コーヒー、アイスコーヒー、アイスオーレという感じで、頭のなかは、忘れぬよう何度もリピートさせる。それでキッチン前の機械に急いでオーダーするのだ。

これは大変なプレッシャーである。暗記力に乏しいわたしにとっては、忘れ放題で何度も聞き返したりしたものだった。さらに注文帰りに別のお客さんに話しかけられたらアウトである。わたしが侍だったら刀を抜いていただろう。

それから、何しろ水商売街だったので、その手の職場の人たちとヤクザ家業の人が多かった。今でも、梅宮辰夫みたいな人を中心とした会合の席で、ベタに水をこぼしたときの、飛んできた店長の顔が忘れられない。あの温和な店長の目玉が飛び出るんではないかという、あの顔。まさにムンクの叫びだった。いや、ムンクの叫びにシンプソンズファミリーの目玉をつけた感じだ。
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思い出すの失敗の数々。それしか浮かんでこない。

あの頃から20年ほど経ったのに、あの頃は若かったなあ、とか「青々しさ」を懐かしむことがないことに愕然とする。何しろ昨日のことのように変わってないのだから。。。いや、むしろ退化か。

人の1.2倍くらいは頑張って勉強も仕事もやってきたのに本質は変わってないらしい。シーシュポスの神話ではないが、頂上に向かって大きな岩を転がしていくが、頂上につくとそれが転がり落ちてしまう。そして、再度スタートするのだ。これを何万回と繰り返す。この徒労感はなんなのだろうか。

だから、今このアルバイトをやってもヤクザのおっちゃんに水をぶちまけ、原始人のようなゲイの常連さんに誘惑され、お客さんのメニューを美しいほどきれいに忘れるのだろう。ということで結論は人間は変わらなかったということだ。