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クプタの一段階屈折

クプタ(わたし)のリアルな日常です。普段は真面目でクールなサラリーマンをきどっています。が、齢35を過ぎたあたりから、自分が35年間何かをずっと演じてきたことに気づく。だから自分だけの日常の喜びを書き記します。

梨食べる、香港

香港出張では展示会での宣伝に関わったのだが、展示スペース作りを現地の下請けの人がやっていて、彼らがどうやら本土の人間らしく、英語が通じなかった。

で、中国語ができるということでわたしが借り出される訳だが、これがまたどうにも彼の中国語が分からない。ところどころの単語は分かるが、なんともまあ発音が癖がある。でも会社の命運がわたしに託されているので、いや実のところ全然託されていないのだが託されていると書くとかっこいいので託されているわけだけども、無理やりでも理解試み、何度も聞き返すと、声の大きさもだんだんと大きくなり、端からみるとそれはそれは大げんかしているようなのだ。
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まあ実際ケンカしていようなもんなのだが、なんとかなって、一息つけば、彼は実にいい人なのだ。お祝い用の果物、梨をその場でナイフを使って分けてくれて「食べろ食べろ!」言うのだ。その気前の良い笑顔から、おうっ!と応えるべきもらうのだが、そのとき梨をつかむカレの指は真っ黒なのだ。

そりゃあ展示スペースを作る職人さんだから、手のひらが汚れて黒くなるのは当たり前だが、水分溢れた梨と黒く汚れた指が絡まって、ほどよいグレーを作っている。でも、ここまできて、わたしも拒絶する勇気はないので、カレの目の前で梨をたいらげるわけだが、もう涙目である。するとほどよくマジックのシンナーの香りが鼻につき、わたしを心地よい世界に誘うのだった。

これを機に仲良くなったわけども、毎回食べものをくれた。ビスケット、チョコレート、ポップコーン。途中からは、まさかこれは餌付けされているのか!と気がついたが、その頃はカレのペットのようになって、バナナを出されると、尻尾を振って駆け寄るのだった。