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スーパービジネスパーソンエグゼクティブ、クプタ

スーパービジネスパーソン、クプタ(わたし)のプライベートを明かします。スーパービジネスパーソンへと登りつめたクプタ。プライベートの思考法とその内容をご参考までにご教授します。

中国でコンビニのキツオバと対峙

20代は中国東北部で働いていた。そこそこのアパートに住み、特権階級意識を丸出しで日々闊歩していた。アパートの目の前には「クイック」というローカルなコンビニがあって、ちょっとした買い物をするにたびたび利用していた。ただ一点問題があった。レジの接客が我が歴史上最悪だったのだ。

カップラーメンやお菓子をレジに持っていこうとすると、その時点で鋭い視線を感じるのだ。いつもレジにいるのは狐のようなほっそりした目のキツオバである。年齢は50くらいであろうか。髪はポニーテール、くすんだネルシャツにだぼっとしたジーンズといういでたち。レジに向かうまで強力な圧を感じる。

ゆでだこのような赤い顔、震える肩、わななく脚を必死にこらえレジに向かう。わたしが商品とマネーを差し出すと、キツオバは不敵な笑みを浮かべて、商品を無言で受け取る。そして、おつりをぶちまけるのだ。レジ台の上には散らばったマネーの一つが勢い回って回転している。それをわたしは急いでかき集め、商品と一緒に逃げるように立ち去る。これがほぼ毎日続くのだ。

2日に1回は寄るのだが、人間あきれ果てるシーンが続くとだんだん中毒になるようだ。わたしは癖になりその恥辱プレイを楽しんだ。お店は夫婦で営んでいるらしく、ごくたまに旦那がレジに立っていることがある。それはひどく私を落胆させ、その際は何も買わずにとぼとぼと家に帰った。

「おつりぶちまけ」は毎回毎回執拗に続くので、はていかに「ぶちまけ」をやめされるか一晩考えてみた。そして一晩を経た後にある作戦にうってでた。さっそく勤務前、8時くらいに「クイック」を急襲。キツオバはいつものごとく私が店内に入っても「我関せず」とい様子でタンを絡ませながら新聞を読んでいる。「フン、その態度も今日までだぜ!!」わたしは心のなかでつぶやくと商品を手にレジに向かった。

商品とマネーを差し出すと同時に、わたしは両手をすくうようなかたちにしてレジ台の上に差出した。「おつりはここにくれっ!」という意思表示をしたのだ。これは昨晩一睡することもなく何度も優しいおわん型が作れるよう練習したのだ。ガールフレンドも付き合ってくれた。

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するとキツネオバは一瞬そのアクションにひるんだが、ほのかな笑みを取り戻すと、その手の下をくぐりぬけレジ台の上におつりをぶちまかたのだった。わたしは額から汗が止まらず、「ああ、無常。」と日本語でつぶやくといつものごとく立ち去ったのである。