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クプタの一段階屈折

クプタ(わたし)のリアルな日常です。普段は真面目でクールなサラリーマンをきどっています。が、齢35を過ぎたあたりから、自分が35年間何かをずっと演じてきたことに気づく。だから自分だけの日常の喜びを書き記します。

社会的人間よアイドルにハマれ

広島では90の祖母といろいろ話をした。祖母はまだまだ活動的な人で、近所の仲間と喫茶店でいろいろ世間話を交わすらしい。そこで、近所の子供が40を過ぎたにもかかわらず、AKBにハマっているらしい。部屋に入ればサシハラのポスターを部屋中に貼りまくっているとのこと。握手会だって30,000馬力らしい。

祖母は、「そんなこと自分で言うんじゃけ。。恥ずかしい。いい年した男が結婚もせずにアイドルなんて。。」と言うので、「まあいいじゃない、それが生きがいなんだし。」と言うと「ん、まあ、情けない。。」と咎めるのだった。

 わたしはそのまだ見たこともない40代の男性をフォローしたつもりだったが、その言い方は「わたしはそんなことにはまらない、社会的な30代後半ですよ。あなたとは違いますから」という上から目線で祖母と話をしたのだ。

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 だが現実は違った。わたしはその彼となんら変わらないのであった。アイドル個人にこそハマっていないものの、その文化には興味があって、まあオタクと言っても否定はできないだろう。それに同じく結婚もせず、何を糧に生きているのか分からない。それに比べて、そのまだ見ぬ彼は、情熱を持てるものを持っているだけ素晴らしい。それに親にそんな姿を見せられる彼は自由じゃないか!イッツアフリーダム!

 ああ、祖母よ、そなたの前にいる男こそ本当は情けないのだ。。。わたしはそんな思いを心に抱えながら、社会的に成功している男を演じ続けるのだった。

 

ネコたちよ、世の中妥協も必要なのだ。。

姉家族が海外に旅立ったために、残されたネコたちの世話をすることになった。このネコたちが私に心を許してくれることはなく、いつも遊びにいくと警戒した目でじっと私を見つめるものだ。

 

家に入ると下に敷かれた新聞紙が散乱しており、先が思いやられる気分になった。一階のリビングに入ると二匹のネコたちが階段から下りてきて、チョコンと階段と踊り場の境で顔をのぞかせた。

 

わたしは思い切って、これこそ猫なで声で

「遊びに来たよー」

と普段出さない高い声で呼びかけた。ネコたちは耳に何も入らないかなのように固まっている。わたしは恥ずかしくなったが、もう一度、

「これこれ、遊びにきたよー」

と呼びかけた。

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世の中には妥協というものが必要なのだ。でも彼らは期待に応えてくれなくて、わたしは何ともいえない気まずさから顔が真っ赤になった。彼ら彼女が頭を擦り付けるとかは所詮夢物語だったのだ。なぜ誰もいないこの空間でわたしは精一杯のシャイを発揮しなければならないのだろうか。

 

ネコたちはわたしが離れた隙を見計らって急いでエサを食べ始めた。わたしは思い切り打ちのめされてしまって、スゴスゴとトイレ掃除に向かった。

俺のカープ女子がいない!

この連休に祖母宅の広島に数年ぶりに帰った。祖母は90になるにも関わらず頭も声もハッキリしていて元気だった。

とはいえ、おじさん一人が広島ですることは、ものの一日で尽きてしまい、あっという間に時間を持て余してしまった。宮島、原爆ドーム、美術館巡り、行っちまった。そこで広島といえばカープオープン戦も非常に盛り上がっていたので、マツダスタジアムに観に行った。

マツダスタジアムオープン戦にも関わらず、溢れんばかりの人で、多くの人がカープの赤いユニホームを観ていた。家族づれも若いカップルもみんなユニホーム着ていて楽しんでいた。

わたしはそんな休日に歴史ある広島という土地の平和を感じると同時に、あの言葉「カープ女子」を追い払うことができなかった。「カープ女子」、それは、東京でテレビを観ていると赤いユニホームとキャップをかぶったカワイイ女の子が微笑む姿だ。あの可愛らしさに何度助けられただろう。そうだ!カープ女子を探しに行こう!

というわけで、マツダスタジアムを周遊したのだが、カープ女子がなかなか見つからない。カープ子供やカープおっさんはすぐ見つかるし、ええと、あのお、カープ微妙女子も数名いる。だがあのカープ女子はどこにもいない。既にわたしはマツダスタジアムを3周していた。わたしは幻影を彷徨い求めているのだろうか。「カープ女子はどこ?」「ああ、このまま回っていたらバターになっちゃうよ」と呟きながら、疲労を蓄積させていく。

4週目に入ったところで、わたしは気がついた。メディアにしてやられたのだ。そもそもカープ女子などいなかったのだ。あの子たちは事務所に所属するモデルだったのだ。くそお!あの野郎!この俺様を足蹴にしやがって!

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この怒りをわたしは自分にぶつけるために、販売されていたクラムチャウダーを買って可愛らしくスプーンですくってみせた。せめてもの、バターとして溶け始めた自分がカープ女子を体現しようとしたのだ。バターとクラムチャウダーの融合。これこそ女子の象徴ではないだろうか。そして、あてもなく油ぎった笑顔を振りまいていたら、カープ子供が一目散に逃げて行った。その行方を追いながらわたしは一筋の涙を流すのだった。

マスクをするたい焼き

 マスクをつけている人が多くなった。ザ、マスカー。マスクの種類はいろいろで、細かく折り目のついたものからそうでないものまでたくさんある。 

そんなマスクを見ていると、人の表情なんてすっかり隠れてしまい、何が本当の顔なのか分からなくなる。混乱したわたしはたい焼きを買ってきて、その口にマスクをかけてみる。すると、あらどうしたことでしょう、たい焼きの表情もなくなって、みるみるうちにそれを食べる気が失せてくるではありませんか。

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となると、人間も自分が食われることを避けるには、マスクは効果的なのか。いつ、わたしたちの空からたい焼き型の宇宙人が降ってくるかわからない。彼らは決して友好的とは限らない。食べにくるかもわからない。宇宙人の到来に関しては本当にいつ何時起こるかわからない。だから今日もわたしはマスクをすることにした。

ホワイトデーにありがとう電灯よ

帰り道にチョコを買って帰ったのだが、そこで初めて今日がホワイトデーであることに気がついた。道理でコンビニでもたくさん置いていたわけだ。

 というわけで、私も世の流れに従うしかない。しかし、悲しいかなここでわたしは愕然とした事実に驚愕する。

「そうだ、彼女がいない!」

ということで、昔の彼女が置いていったモンスターズインクの青いやつ、うーん、名前を失念。のぬいぐるみにホワイトデーのプレゼントをする。予行練習。彼をリビングのイスに座らしてかしづく。

「結婚してくれ。」と。

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しかし、その言葉を発した瞬間からあらゆる不安が押し寄せる。マネー、子育て、不自由、エトセトラ。

「こ、これが、こじらせ男子ってやつか!」

と誰もいないお部屋で叫ぶと、電灯が息も絶え絶えに点滅した。

「おおつ、ありがとう!電灯よ。わたしに呼応してくれたのか。人間が答えてくらないなら、電灯でもよい。宮沢賢治だ。」

とひとりごちて、今日という最高の日も終えるのだった。

スターバックスとの闘い

とにかくスターバックスの居心地が悪い。あの空間にいると、自らがその空間に取り込まれてしまったかのように埋没してしまう。

 

するとそれにふさわしいように振る舞わないといけないような強迫観念に襲われる。パソコンはアップルでドヤ顔を求められているような気分になる。ASUSの柔らかいキーボードを打ちながら、野暮ったい顔をしていたら殺されるんじゃないだろうか。きっとアップルイケイケ軍団がやってくるに違いない。そしてランボーの如く、マシンガンで身体を穴だらけにされそうだ。

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そうそう、あの硬い椅子は、われわれを試しているに違いない。あなたはここにふさわしい人間ですか?と。あの店員さんの心地よ過ぎるまでの笑顔と接客の裏側には、このサービスにふさわしい人間ですか?という皮肉も隠されているに違いない。

 

なんか美味しいのかよくわからないスナック類と明らかにおいしくはないコーヒー。これに耐えながら、ドヤ顔も必要とされるのは拷問に等しい。

 

ああ、愛しのスターバックス、おまえはどうして顔を隠しているの?それはね、おまえたちの凡庸な顔を見たくないからだよ。ああ、愛しのスターバックス、おまえはどうしてキバが見えるの?それはね、おまえたち野暮野暮人間を二度と立ち直れないように、バキバキに傷つけるためだよ。

気がつくとスリッパ放置問題

他人の家にお邪魔するとスリッパを出される。わたしは、普段自宅でスリッパを履かないので、最初はその温もりに足を通すのだけれど、一度襖に上がったりして脱ぐと、それ以降そのまま放置してしまう。

 もちろん厳かな場所や緊張している場合はそうならない。少しリラックスした身内や友人宅などで、あっという間にその現象に見舞われてしまう。

 思えばこれまで数々のスリッパを履いてきた。小学校の遠足日光ホテルにあるオーソドックスな茶色いやつ、祖母の家にある下にイボイボがついているやつ、無印の冬用あったかいやつ、スカンジナビアエアライン、ビジネスクラスの黒くて薄いスリッパ。なぜ、わたしに馴染まない?

 皆んな一列に並ばせて、小一時間問い詰めていきたい。なぜ、わたしの足と相性が悪いのかと。そして、子供たちを押しのけて、その親御さんの冷たい視線に動じることなく、吉祥寺の公園でブランコを思い切り漕ぎたい。一つ一つのスリッパをブランコの上から全力で飛ばして行くのだ。そのなかで、一番スポッと飛距離を伸ばしたスリッパを今後愛することにしよう。

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